医師が手術治療を検討する基準

変形性膝関節症の症状は段階的に進行しますが、各段階の症状に応じて治療法は異なります。ここでは、手術治療を検討すべき目安についてご紹介します。

画像検査から見た手術適応のタイミング

変形性膝関節症の重症度を見る「K-L分類(Kellgren-Lawrence)」という診断基準(図参照)に基づいた場合、グレード3以上は手術治療の適応となることが多くなります。
ただ、手術の適否を画像だけで判断することは稀です。画像上重症でなくても、ご本人が耐え難い痛みを訴えていらっしゃるなら手術を検討しますし、逆に画像所見が重度でも痛みの程度が激しくない、またはご本人が手術を求めていらっしゃらない場合は無理に手術を勧めることはありません。

Kellgren-Lawrence分類(K-L分類)

Grade 1

Grade 1

変形性ひざ関節症が疑われる状態。大きな変化はないが、骨棘(こつきょく)※1や骨硬化(こつこうか)※2が見られることがある。

Grade 2

Grade 2

ひざ関節の隙間が狭くなり始める、変形性ひざ関節症の初期段階。骨の大きな変形はないが、わずかに骨棘の形成が確認できる。

Grade 3

Grade 3

変形性ひざ関節症の進行期。ひざ関節の隙間がさらに狭くなったり、はっきり確認できるほどの骨棘や骨硬化が生じたりする。

Grade 4

Grade 4

ひざ関節の隙間が75%以下となり、消失することもある。大きな骨棘が形成され、骨の変形も顕著に認められる、末期の段階。

【出典】J. H. Kellgren and J. S. Lawrence. Radiological Assessment of Osteo-Arthrosis. Ann Rheum Dis; 16(4): 494–502. 1957.
※1 骨棘:骨の縁にトゲのような変形が生じること。
※2 骨硬化:骨同士がぶつかり合い、硬くなっている状態。X線画像ではより白く映る。

症状の程度

骨や組織の状態なども重要な情報ですが、臨床医がもっとも重要視しているのは「痛みによって日常生活に支障をきたしているかどうか」という点です。これに当てはまる場合、何らかの手術療法を選択肢として考え始めます。

保存治療の期間

患者様の症状によっても違いますが、数ヶ月から1年ほど保存治療(薬物療法やヒアルロン酸注射)を施行しても治療効果が得られない場合に手術療法を検討します。

手術の種類

膝に対して行われる主な手術は、関節鏡視下手術、脛骨骨切り術、人工関節置換術の3種類ですが、重症度や年齢に応じて適応が異なります。

関節鏡視下手術 脛骨骨切り術 人工関節置換術
適応 初期
痛みや変形の程度が軽い方
中期
40代以降
末期
70代以降
メリット 傷が小さい
体に低負担
活動的な生活が可能
スポーツの再開が可能
痛みを大幅に改善
歩行可能
デメリット 根本的には解決しない 長期的なリハビリが必要 10〜20年ごとに人工関節の交換が必要
入院期間 1週間程度 2週間程度 3週間〜2ヵ月程度
手術費用 3割:5万円程度
1割:2万円程度
3割:10〜12万円程度
1割:3〜4万円程度
3割:24万円程度
1割:8万円程度

関節鏡視下手術

関節鏡視下手術(デブリドマン手術): ひざに2、3カ所つくった6mmほどの小さな切開口から内視鏡(カメラが搭載された細い棒状の器具)を挿入し、関節内をモニターで見ながら行う手術です。

すり減った関節軟骨や損傷した半月板を取り除くことで痛みを軽減し、膝を動かしやすくする手術です。膝に数カ所、数ミリ程度の穴を開け、そこから内視鏡(関節鏡)を挿入し、そのカメラの映像を見ながら治療を進めます。変形性関節症の方の場合、程度が軽い場合に適応になることが多いです。
関節鏡視下手術は身体への負担が小さいのが特徴ですが、根治術ではありませんのでその点は留意ください。膝の中を掃除するような治療なので、膝の状態によっては術後に症状が悪化する可能性があります。

脛骨骨切り術

関節内視鏡手術で症状の改善が期待できない際に検討されるのが、脛骨骨切り術です。膝軟骨の内側か外側のいずれかが正常に保たれている場合は、この手術の適応となります。すり減っていない側の脛の骨の一部を膝の関節近くで切って、偏ってしまった荷重がなるべく均等にかかるよう、傾きを修正する手術です。成功すれば、膝にかかる荷重が均等になって、膝のぐらつきも少なくなります。
脛骨骨切り術はご自身の関節を温存できるのが大きな特徴です。人工関節置換術よりも比較的軽症で若年の方(40代〜50代)に行われることが多いですが、術後は切った骨が癒合する(繋がる)までの約半年間、経過観察を続ける必要があります。また、術後のリハビリが長期間に及ぶこともあります。

オープン・ウェッジ法
O脚の場合、脛骨の内側を切り開き、人工骨を入れて金属プレートで固定する方法。X脚の場合は脛骨の外側を切開します。
脛骨を切開 / 開いた部分に人工骨を入れる 金属で固定
クローズド・ウェッジ法
ひざ関節の外側の脛骨から腓骨(脛骨に並ぶ細い骨)をくさび状に切除してつなぎ合わせ、金属で固定する方法。つまり、骨を短縮さて傾きを調整します。
脛骨と腓骨の一部を切除 / 切り取った部分を合わせてプレートで固定

人工関節置換術

人工ひざ関節置換術後のレントゲン画像

すり減って変形してしまった関節の表面を、人工的な部品に置き換える手術です。関節全体を置き換える全置換術(TKA)と一部だけを置き換える単顆置換術(UKA)があります。
人工関節置換術は疼痛の大幅な改善が期待できますが、正座や激しい運動は難しくなります。また、身体への負担が大きく、他の手術療法に比べてリハビリが大変になる可能性があります。適応となるのは、比較的ご高齢(70歳以上)で、活動性の低い方です。

人工ひざ関節単顆置換術
ひざ関節の内側だけ、もしくは外側だけなど、損傷が激しい部分だけを人工関節に置き換える方法。入院期間は2週間と人工関節全置換術に比べて短い一方、インプラントと本来の骨とのバランス調整が難しい手術です。
ひざ関節の内側だけ、もしくは外側だけなど、損傷が激しい部分だけを人工関節に置き換える方法
人工ひざ関節全置換術
ひざ関節全体を人工関節に置き換える手術ということで、体への負担は大きめです。違和感を覚えることも。ただ、高い改善効果が見込めます。入院期間は1〜2ヵ月。
ひざ関節全体を人工関節に置き換える手術

当院では手術を回避する選択肢をご提案

変形性膝関節症の手術療法によって、痛みの大幅な改善が期待できます。ただしその反面、入院が必要だったり、術後のリハビリに時間を要するなど、回復するまでに少なからず生活に支障をきたすのも事実です。その影響を心配して、なかなか手術に踏み切れない患者さまも少なくはないと思います。
当院の再生医療は、そうした方々の良い選択肢になり得ます。
治療は全て入院、手術が不要で、全て日帰りで受けられます。
・家庭や仕事の都合で長期間の入院が難しい
・手術治療を勧められたが、できれば回避したい
このような方はぜひお気軽にご相談ください

まずはお気軽に
ご相談ください。

【ひざの痛み専門】無料でんわ相談

0120-013-712

電話受付時間
9:00〜18:00

変形性ひざ関節症にお悩みの皆さまへ

変形性ひざ関節症は進行性であるがゆえに、早期の診断とひざの状態に適した治療がとても重要な疾患です。だからこそ、症状を知って気付くこと、原因を知って予防すること、様々な治療法を知って選択肢を増やすことのため、少しでも役立つ情報をお届けできればと考えております。
実際にひざ関節症クリニックには、ヒアルロン酸注射では変形性ひざ関節症の痛みをコントロールできなくなった方や、人工関節や骨切り術といった手術を勧められているけれど不安から踏み切れない方が多く来院されます。そういった方々に対し、患者さまのご希望も踏まえながら、より良い治療法を検討・提案。診察時間を十分に確保できるよう完全予約制とし、次の診察にせかされ患者さまが疑問点を質問できないようなことのないよう、配慮しております。保険適応で受けられる提携施設でのMRI検査もございますので、ひざの状態がよく分かっていないという方もご安心ください。

情報提供を行った医師の紹介

東京ひざ関節症クリニック 渋谷院院長 古屋智之

渋谷院院長古屋智之

  • 保有資格

    日本整形外科学会認定 専門医

    日本整形外科学会認定 スポーツ医

    日本体育協会認定スポーツドクター

  • 所属学会

    日本整形外科学会

多岐にわたって経験と知識を有する専門医・指導医が在籍しています

ひざ関節症クリニックの医師は、全員、日本整形外科学会認定の専門医です。加えて複数の医師が、さらに専門性を極めた分野に従事。新宿院院長の横田直正医師は、日本リウマチ学会認定専門医でもあり、関節炎に深く精通。日本医師会認定産業医の資格も保有しています。医学博士も取得している大宮院院長の大鶴任彦医師は、股関節も専門としており、日本股関節学会学術評議員のひとりです。厚生労働省認定の臨床研修指導医、身体障害者福祉法指定医の資格も取得しています。
また、整形外科分野に限らず、日本再生医療学会にも所属し、さらに専門性を極めた医師も在籍。こういった医師たちの知識と経験に基づき、当サイトでの情報提供を行っております。